2台持ちは嫌だというガラケーユーザー必見のデュアルSIM端末
脱ガラケーオンリーの手段として「ZTE Blade Vec 4G」と「Google Nexus7(2013)LTE」について書きました。しかし、それらの方法のデメリットとして、“2台持ち”があります。
ガラケーを維持したままスマホを追加すると、どうしても二台持ちになってしまいます。もともとたくさんの荷物を持って歩くのは好きではないので、本当は一台で済ませたいというのが本音です。そこで検討しているのが“デュアルSIM端末”です。
デュアルSIM端末とは
デュアルSIM端末というのは、SIMを二つ搭載できる端末です。通常のガラケー(フィーチャーフォン)やスマートフォンはSIMを一枚しか搭載できません。その一枚のSIMで通信を行ったり・通話をしたりします。しかし、デュアルSIM端末は二枚のSIMを搭載できます。二枚のSIMをとうさいできるため、一枚のSIMを通信用・もう一枚のSIMを通話用と機能で分けることができます。
発売されているデュアルSIM端末は基本的にSIMフリー端末です。なので、二つのSIMはまったく別の会社のものでも大丈夫です。なので、通話用のSIMはdocomo、通信用のSIMは格安データSIMでという運用が可能です。現在検討しているデュアルSIM端末は、以下の二台です。
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他にも海外版のスマホはデュアルSIMに対応しているものが多数あります。しかし、海外製はいちおう技適の問題があるので選択肢からはずしました。やっぱり堂々と使いたいです。また、普通のスマホをデュアルSIMに改造することもできるようですが、私は現在スマホを持っていないので、やりようがありません。というわけで、現時はこの2台に絞って検討しています。
キャリアの契約を解除しなくてよい
デュアルSIM端末というのは脱ガラケーによい端末です。なぜなら、キャリアのガラケー契約を解除せずにスマホを試すことができるからです。
ガラケー契約しているSIMをそのまま使い、新たにデュアルSIM端末と通信用の格安SIMを購入します。それでスマホを試してみることができます。気に入らなければガラケーに戻せるし、気に入ればキャリアのスマホを購入してもいいかもしれません。格安SIMは最低利用期間などの縛りもありませんから、気軽に試すことが出来ます。
同一キャリアでスマホに機種変更する場合、MNPと比べて端末代金が高くなってしまいます。また、MNPしてしまうと長年使ってきたキャリアおよびキャリアメールとさよならをしなければなりません。それを回避するためにも、安価なデュアルSIM端末で試すというのはいい選択ではないでしょうか。
たとえばこんな使い方
機能や目的によって二枚のSIMを使い分けられるので、色々なパターンを組むことできます。私はドコモユーザーで、他のキャリアのプランについてはよく知らないので、ドコモの場合のみを書きました。
■通話と通信が少ない人向け、月額利用料を安くしつつキャリアメールを残すパターン
SIM1 | SIM2 |
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タイプシンプル バリュー(ファミ割MAX摘要)743円+SPモード(iモード契約可)300円=1,043円 ※パケ・ホーダイシンプルに加入 | 格安SIMの1GBプラン=900円 |
月額1,943円程度で運用が可能 ※通話料・初期費用・ユニバーサル利用料などは除く |
このパターンのメリットは、安いことです。それ以外には、「キャリアメールが定額」という点があります。基本的にキャリアメールというのは、キャリアの端末でしか使えませんが、デュアルSIM端末でこのパターンであればキャリアメールを使えるようです。ただし、手間がかかるようです。うまく設定できればキャリアメールが定額です。
一方、通話料が高くつくので注意が必要です。格安SIMを通話可能SIMにするというのもいいかもしれません。その場合は、SIM2が1,700円程度になり月額2,743円程度になります。後述するキャリアの通話かけ放題プランを使った場合が月額3,400円程度ですので、品質と通話量を考慮し天秤にかけることとなります。
■キャリアの通話かけ放題プランと格安SIMで、通話料定額にするパターン
SIM1 | SIM2 |
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カケホーダイプラン(ケータイ・定期契約あり)2,200円+SPモード(iモード契約可)300円=2,500円 ※データプランには加入しない | 格安SIMの1GBプラン=900円 |
月額3,400円程度で運用が可能 ※通話料・初期費用・ユニバーサル利用料などは除く |
通話が多い人は、このような契約をすればかけ放題スマホになります。
このパターンによるデュアルSIMのメリットは、カケホーダイ契約に、2,200円のガラケー用のプランが使えるということです。ドコモのスマホのカケホーダイプラン(定期契約あり)は2,700円ですから、500/月安くカケホーダイがつかえることになります。
キャリアメールを捨ててもいいという場合は、SPモード契約は必要ないので、月額3,100円程度で運用できます。
いいとこばかりではない
このように、2枚のSIMを挿すことでいいとこどりができるデュアルSIM端末ですが、いいことばかりではありません。やはりデメリットもあります。以下にデメリットをまとめてみました。
二枚のSIMを同時に稼動できない
最大のデメリットがこれでしょうか。二枚のSIMを挿せるから、当たり前に同時稼動できると思うかもしれませんが、稼動できるのは1枚のSIMだけです。なので、通話用と通信用にSIMを分けた場合、通信SIMを選択しているときには通話ができず、通話SIMを選択しているときには通信ができません。例えば、通信SIMでインターネットを使用しているときに着信があっても着信はできず、かけた相手の電話は「電源が入っておりません」になるということです。
「同時に使用できないのであれば意味がない」というひとも多いかもしれません。頻繁に着信する人は、通信中に着信が出来ないと不安でしょう。しかし、そこを割り切ってもいいという人もいるでしょう。通信は限られた時間のみだとか、着信はほとんどないという人にとっては我慢が出来るでしょう。
また、SIMをスケジュールや一定時間に切り替えるというツールもあり、それらを利用することによってデメリットを感じなくなるかもしれません。さらには、「転送電話」というサービスを使い、通話用SIMに着信した電話を、IP電話が使える通信用SIMに転送するということもできるようです。
LTE通信ができない
これも大きなデメリットです。現在発売されているデュアルSIM端末はLTE通信に対応していません。都市部などLTEが当たり前の環境では、3G通信しか出来ないデュアルSIM端末ではイライラするかもしれません。
しかし、3Gでも新しめの高速3G通信には対応しています。通信速度はそれほど気にしないという人にとっては、それほどデメリットにはならないかもしれません。また、LTEがまったく使えない地域や、LTEが途切れがちな地域では、逆に3G通信のみのほうが通信が安定してよいという声もあります。
キャリアメールを使うには手間がかかる
ドコモのキャリアメールは、デュアルSIM端末でも使うことが出来ます。しかし、その設定は面倒で手間がかかります。そもそも、キャリアメールというのはキャリアの端末でしか使用できないものです。それを非キャリアの端末で使うのだから、大変なのは当たり前なのですが。
結局、デュアルSIM端末ではキャリアメールをすてる覚悟をしたほうがいいかもしれません。
デメリットはあるが、メリットも多い
このようにデメリットも多いデュアルSIM端末ですが、メリットとくに料金面でのメリットは魅力的です。やはり、設定の手間を楽しむような人であれば、デュアルSIM端末は面白いガジェットではないでしょうか。
前回書いた「ZTE Blade Vec 4G」と「Google Nexus7(2013)LTE」もいいのですが、このデュアルSIM端末というのも脱ガラケーにはいいかもしれません。